○今日の映画

・「クローサー」(ネタバレ注意!)
監督:マイク・ニコルズ
出演:ジュリア・ロバーツジュード・ロウナタリー・ポートマンクライヴ・オーウェン
鑑賞場所:シネマ・ロサ
採点:6
感想:真実と嘘が交錯する。嘘をつかれれば嫌になるに決まっているが、逆に真実こそが一番辛いものであることも多々ある。ここに描かれているのは結局、恋愛の一番基本的なものではないだろうか。別な人と関係を持った相手を許せるか?別な人と関係を持ったことを正直に話すべきか?色々な場面で自分だったらどうするだろうか考えてしまう。人は皆違う価値観を持って生きている。だから交わらない部分が出来てしまうのはしょうがないことだ。恋愛も同じ。決して交わらないところが、どうしても許せないなら別れるのは避けがたい結果なのだ。
それにしても4人の俳優・女優が素晴らしい。これぞ豪華キャスティングだ。それぞれが色々な賞にノミネートされているがそれも納得。演技にみとれてしまう。一番面白かったシーンはアダルトチャットのシーンかな。ジュード・ロウネカマぶりや、クライヴ・オーウェンの変態っぷりが良い。チャット中の文字がリアルだ。しかし、なぜそのチャットに引っかかった変態医師にジュリア・ロバーツは惹かれてしまうのだろうか。ここにも恋愛の不可思議さを垣間見る。


・「サイドウェイ」(ネタバレ注意!)
監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ポール・ジアマティ、トーマス・ヘイデン・チャーチヴァージニア・マドセン、サンドラ・オー、メリールイス・パーク、ジェシカ・ヘクト、ミッシー・トッティ
鑑賞場所:ギンレイシネマ
採点:8
感想:この映画に出てくる二人の主人公の男たちマイルス(ポール・ジアマッティ)とジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)はどうしようもない。マイルスは二年前に離婚したショックがいまだ抜けず、毎日気の抜けた生活を送っている。ジャックは結婚が決まっているにも関わらず、これが最後の独身生活とばかりにナンパしてどうやって女性をものにしようかそればかり考えている。これは自分の嫌いな行動パターンだ。しかし、映画自体はこの二人を軸に非常に面白いものに仕上がっている。お金をかけたセットがあるわけでもないし、特別凝ったCGを用いているわけでもない。田舎臭さを押し出したホノボノ感が温かみがあって良く、随所にホノボノとした笑いを入れてくる。
この映画の中心は「ワイン」だ。自分は特別ワインに詳しいわけではないが、この映画を見てワインを飲みたくなった。日頃は大人しいマイルスがワインに関しては雄弁になる様はみていて面白い。この映画のプログラムにはワインに関する文章が掲載されているので是非見て欲しい。今まで触れた事のない世界が広がるはずだ。ワインは人生と似ている。年月をかけて熟成させればいい味が出るものだ。それがたとえこの映画の主題となっている「サイドウェイ」すなわち「寄り道」であってもだ。寄り道は無駄な道でない。寄り道しなければ得れなかった何かがそこにはあったはずだ。